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特長1
赤血球製剤中に増加した過剰なカリウムイオンを除去するフィルターです。
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特長2
胎児・未熟児・新生児・交換輸血又は体外循環を受ける小児、及び救命上緊急な急速大量輸血が必要な患者に対し、カリウム値が上昇しているおそれのある、赤血球製剤(照射血・長期保存血)を輸血する場合の、輸血血液中の過剰カリウムを80%以上吸着・除去します。
※条件:カリウムイオン濃度が30-50mEq/Lの人赤血球濃厚液にて、大容量用の処理流速50mL/min以下、小容量用の処理流速30mL/min以下、100mL以下処理用15mL/min以下にて処理した場合
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特長3
100mL以下処理用をご用意しました。
プライミングした生理食塩液はエアベントフィルターを通した空気で廃液バッグに排出でき、目的とする血液量を直接シリンジに分取できます。廃液バッグを除くチューブには可塑剤としてTOTM(トリメリット酸トリス(2-エチルヘキシル))を使用しています。
上清カリウムの上昇について
~放射線照射後の赤血球製剤では、保存期間に伴う上清カリウム値の上昇に注意する。カリウムの急速負荷は心停止の可能性があると言われており、特に、新生児、未熟児、腎不全患者、急速大量輸血患者では注意を要である。~とあります。
輸血・細胞治療学会 輸血後 GVHD 対策小委員会 2010.1.1
「輸血によるGVHD予防のための血液に対する放射線照射ガイドラインⅤ」より
原理
陽イオン交換樹脂であるポリスチレンスルホン酸ナトリウムにより、カリウムイオンをナトリウムイオンと等量置換することで、血液製剤中の過剰なカリウムイオンを吸着・除去します。
特定保険医療材料
輸血用血液フィルター(カリウム除去用)
使用方法(動画)
KPF-4(4単位以内用)/KPF-1(1単位以内用)
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ベッドサイド輸血法
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分離バッグへのプール法
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微小擬集塊除去フィルター(SQ40s-M)との接続
KPF-n(100mL以下用)
トラブルシューティング
PDFマニュアル
KPF-4(4単位以内用)/KPF-1(1単位以内用)
KPF-n(100mL以下用)
よくある質問
なぜ使用前に生理食塩液を流さないといけないのでしょうか?
保険適用の算定要件を教えてください。
当製品の算定要件は、狭義で当製品の適応症例となり、以下①~③のような輸血により高カリウム血症をきたす危険性が高い患者さまにカリウム値が上昇しているおそれのある赤血球製剤(照射血·長期保存血)を輸血する場合となります。
①胎児・未熟児・新生児
②交換輸血又は体外循環を受ける小児患者
③救命上緊急な急速大量輸血が必要な患者
輸液ポンプは使えるのでしょうか?
輸液ポンプの使用については検証を行っておりません。
輸血可能なポンプをご使用の場合は、当製品にて処理した血液を分離バッグにプールした後、ポンプに適応した輸血セットにてご使用ください。
シリンジポンプでの使用については、100mL以下処理用のKPF-nをご用意しております。KPF-nで処理した血液をシリンジに採取してご使用ください。
関連文献
①輸血・細胞治療学会 輸血後 GVHD 対策小委員会 2010.1.1
「輸血によるGVHD予防のための血液に対する放射線照射ガイドラインⅤ」
②Japanese Journal of Transfusion Medicine, Vol. 42. No. 5 42(5):218―224, 1996
「カリウム除去輸血フイルターのin-vitro試験及び動物試験」
③臨床と研究・75巻4号(平成10年4月)
「カリウム除去輸血フィルター(7R-001)の有効性、安全性及び有用性についての第Ⅲ相臨床試験」
④血液事業 第25巻 第3号 2002.11
「カリウムイオン吸着フィルターにより処理した照射赤血球M・A・Pの品質評価」
⑤Japanese Journal of Transfusion Medicine, Vol. 49. No. 1 49(1):63―67, 2003
「豊橋市民病院新生児医療センターにおける交換輸血の実態 ―交換輸血の問題点・注意点に関する考察―」
⑥臨床麻酔 Vol. 29/No. 12(2005-12)
「急性大量出血に対する対処」
⑦麻酔:55巻12号
「輸血用カリウム吸着フィルタの有用性 ―透析患者に対する急速輸血2症例―」